迷惑施設とは何か

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児童相談所にしても保育園にしても,社会公共の福祉ための施設です。
それなのに,どうして迷惑施設になるのでしょうか。
考えられることとしては,一人の人が福祉と迷惑の両面を感じているのではなく,ある人は福祉施設と理解する一方で,別のある人は迷惑な面のみを感じるのでしょう。
つまり,公共の利益と自己への迷惑は,二者択一であって,一人の人間が両方を思うことは希だということです。

 

廃棄物処理施設についても,同様です。
これらのことこそ,「受益と受苦の非対称性」であり,筆者が長年の仕事から到達した結論です。

slide 3

児童福祉と廃棄物処理は同じではないけれど,児童福祉「施設」と廃棄物処理「施設」の立地をめぐる紛争の本質は同じです。
公共の利益とは多くの人が広く薄く享受するものです。
こうした公共の利益のための事業の副産物である「迷惑」は,一部の人(特に施設の地元)に集中することが多いのです。
それが,「受益と受苦の非対称性」です。
そのことが問題であるけれど,当事者を含む多くの人はそのことを分かっていません。
また,この問題を解決するための法律制度もまだ十分に整えられていません。
さらに,このあとで詳しく考えてみたいと思いますが,サービス=ドミナント・ロジックの考え方を応用することで,合理的な解決方法が提供されます。

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