迷惑施設とは何か

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さて,問題提起です
保育園や児童相談所は,児童福祉施設です。
子供の健全な成育をサポートするためにもののはずで,従来の常識ではこれらは迷惑施設にはなり得ません。
ところが昨今では,保育園も児童相談所も迷惑施設として捉えられ,地元の反対運動のターゲットとなる事例が見られるようになりました。

 

まずは,保育園です。
偶に保育園に対する地元の反対運動が報道されますが,実際のところは報道されないケースはもっと多いはずです。
保育園の設置に反対する人たちの言い分は,こうです。

  • 子供は騒ぐだろう,住宅地の静謐が損なわれるだろう。
  • 子供の親が自動車や自転車で集まり,交通が混乱するだろう。交通が危険なことになるだろう。
  • なぜ子供が少ないこの地域に保育園を作るのか,他所でやれば良いだろう。
  • ここは静かな住宅地であって,そもそも保育園の立地には不適だ。
  • 保育園を運営する事業者は,とにかく評判が悪くて不適格だ。

中には公共的見地からしてもゴモットモと言えるようなものや,地元の立場で考えればナルホドというものもあります。
でも,ほとんど言い掛かりみたいなものもあります。
いずせにせよ,反対運動には,論理的にスジが通っているものから屁理屈レベルのものまで,ありとあらゆる理屈が動員されます。

 

東京港区における児童相談所の設置をめぐる反対運動が報道されたのは,記憶に新しいところです。
地元住民側の反対理由を報道から引用すると,典型例はこんなことのようです。

  • なぜ高い土地を買って南青山につくるのか?
  • 保健所がある三田ではダメなのか
  • 人口が増えている港南地区にすればいい

ようするに,せっかくの高級住宅地に児童相談所なんかが来て,地域の格や地価が下がるはご免だ;とにかく児童相談所なんか来てくれるな,というものです。
この程度のイザコザはよくあることで,普通は大きく報道されることもないのですが,「高級住宅地に住む住民のエゴ」ということで,マスコミが取り上げました。
評論家やらネット民やらも尻馬に乗り,地元住民への非難で大変に盛り上がりました。
普通ならば,この種の係争では「迷惑施設を押し付けるな」という論調が優勢で,地元の反対派の肩を持つ言説が多く出てくるものですが,ここでは地元住民は悪者として位置づけられ,迷惑施設の側面よりも公共の利益のための施設という側面を強く認識する報道がなされました。
これら保育園や児童相談所の問題は,いわゆる迷惑施設の問題ですが,同じ迷惑施設とされる廃棄物処理施設とは反対に,公共福祉面が強く認識され,地元の「迷惑」よりも地元の「エゴ」が目立って取り上げられます。
片や「地元の迷惑」片や「地元の迷惑」。
一体どこが違うのでしょうか。
たしかに,地域エゴが公共の福祉を損なっていると言えるでしょう。
でも,それだけでしょうか。

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