連載

健康科学

【おっぱいは誰のもの?ー乳児栄養法の変遷⑥:昭和後期~平成元年頃】母乳の良さが認められるようになった時代

科学の進歩により、育児用ミルクの質が上がった反面、母乳の分析も進み感染抑制作用等が発見され母乳の良さも認められるようになった時代昭和後期から平成(平成元年頃まで~1989年:現代)経済状況が好転し、食糧が豊富になり、1960年代以降には小児...
健康科学

【おっぱいは誰のもの?ー乳児栄養法の変遷⑤:戦後~1950年代】人工栄養の利用が増加した時代

~終戦後1953年までは母乳栄養は70%以上であったが、その後人工栄養の利用が増加し母乳栄養は50%程度に落ち込んだ戦後(昭和34年頃まで~1950年代:現代)終戦直後、国民すべての命を保証するほどの食料はなかった。1946年において配給か...
健康科学

【おっぱいは誰のもの?―乳児栄養法の変遷④】戦時体制下(昭和24年頃まで~1940年代:近代)~おっぱいは牛からもらえなくなった

戦時体制下(昭和24年頃まで~1940年代:近代)時代背景1937年に日清戦争がはじまり、1941年には第二次世界大戦へと進んでいった。戦時中は食糧事情が悪化したことは知られており乳汁分泌量への悪影響が懸念されるが、戦争下によるデータの欠損...
健康科学

【おっぱいは誰のもの?―乳児栄養法の変遷③】昭和前期(昭和15年頃まで~1930年代:近代)~おっぱいはヒトと牛から

乳汁栄養法は主に母乳であった。この時代になると人工栄養(代用栄養品)の種類も増えてきた(図1)。しかし、新生児には母乳を与えるのが原則で、不足しているときには貰い乳が勧められている。図1.昭和時代(Ⅰ期:昭和2年~15年頃:1927~194...
健康科学

【おっぱいは誰のもの?―乳児栄養法の変遷②】  明治時代から大正時代~おっぱいは近代化の波にのったか

明治時代から大正時代(近代)~おっぱいは近代化の波にのったか明治時代になると近代化に伴い、授乳に関する考え方は大きく変化していった1)この頃になると初乳が肯定的に評価され、胎毒説①が力を失うことで、母と子が初めから乳で結ばれることが「自然な...
健康科学

【おっぱいは誰のもの?―乳児栄養法の変遷①】江戸時代~小児科学移入前(近世)~おっぱいを求めて

江戸時代-小児科学移入前(近世)~おっぱいを求めて江戸時代の乳汁栄養法は、現在のように、母乳栄養と人工栄養という区分ではなく、人間の乳(人乳)という枠組みの中で生みの母の乳と他人の乳(乳つけ、貰い乳、乳母の乳、)の区分となる(図 1)。 図...